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たべつく特派員通信  

たべつくくらぶ会員の中から選ばれた「たべつく特派員」が、それぞれの街のおいしいものや、おいしいお店などをレポートします!


[NEW!]NO.11 大野瑞穂さん(東京都)
「ギュッとしまった半干し野菜を楽しむ」

去年の夏、安田弥生さんの「風の畑」へお手伝いに行った。弥生さんは、無農薬でおいしい野菜をつくっている若手の農業家。雑草を取ったり、泥をかき混ぜたり、と畑仕事の雑用をやった後に、とりたての野菜を分けていただくのだが、新鮮でおいしいのは当然だし、弥生さんの顔が頭に浮かぶから、少しでも無駄にできないなぁと、大切にいただく気持ちになる。弥生さんが「今年はなすが豊作で、あまったものはこうやって干すんですよ」と、軒先に吊るした網かごにいっぱい茄子が並んでいるのを見せてくれた。切り干し大根ならぬ、切り干し茄子である。目からウロコの私は、家に帰ってさっそくまねをしてみた。

いただいた茄子を3mmくらいのスライスにして、出窓に干す。夏場だったので、窓を開けて風を通せば、1日、2日でシワシワの干し茄子が完成。これをひじき煮に入れてみたら、旨い,旨い。今まで冷蔵庫の中で、うっかり野菜をしんなりさせてしまい「あ、やってしまったぁ」と反省することが多々ある私は、あまったり、食べきれなかったりした野菜を乾燥野菜にするという名案(?)に、目覚めてしまった。


冬になっても乾燥野菜の熱は冷めず、ちょっと太陽の差す日には、しめじやにんじんも干してみた。この時に参考にしたのが、料理家・有元葉子さんの『干し野菜のすすめ』(文化出版局)。有元さんは、イタリアでセミドライタイプのドライトマトのおいしさに出会い、カチカチにしないで半干しすることで、ポリポリといった新しい食感や、水分がちょうどよく抜けてギュッとしまった味になることを発見。この本ではれんこん、大根といった根菜以外にキャベツのような葉野菜まで、半干しにして作るいろんなレシピが載っている。おいしそうな料理の写真を見て、私もさっそくしめじを干したわけだが…。


なにせ冬場なので、力技で「浴室乾燥機」を使って、半干しにする。本当は太陽の光と風に当った方がおいしいのだろうけど…。しんなり乾燥したしめじとにんじんを、オリーブオイルとにんにくで炒め、チーズをかけてトースターでチン。一口食べて、「うーん、キノコの香りが凝縮されていて、ちょっとイタリア気分?」などと、我ながら満足する味。にんじんはポリポリと軽い食感で、クセになりそう…。今はすっかり乾燥野菜の通(?)になり、天気の良さそうな日は、窓辺に野菜を並べて、晩ご飯の下ごしらえをしている私です。

安田弥生さんに教えてもらった
「切り干し茄子」。

 

 

天気の良い日は、
出窓ににんじんを並べて。

 

 

乾燥しめじとにんじんの
イタリア風グリル。

 

 


 

 


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