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試食アンケート結果

河二敏雄さんは、石川県金沢市生まれ。近畿大学農学部を卒業後、家業の農業に従事、95年に『有限会社かわに』を設立しました。現在は、サツマイモ、スイカの生産を行なうとともに、『かがのと食彩耕房』を立ち上げ、サツマイモの加工にも力を注いでいます。

河二さんにお話を伺ったのは、五郎島金時(サツマイモ)の選別や水洗いを行なう、広い納屋のなか。目の前には、青々としたサツマイモ畑が広がっています。さっそくですが、五郎島金時について、教えてください。「このあたりは海岸に近くて、土地は全部砂地じゃないですか。スイカとサツマイモと大根しかできない。親父が若いころは、相当苦労したみたいです。でも、この砂が五郎島金時を育んできたんですよ。ポイントは、砂の粒の大きさかな。水ハケが良いけれど、良すぎない。水持ちが、ちょうどいいんです」


五郎島金時の栽培で、こだわっているのはどんなことなんでしょう?「まず、収量をたくさんとらないってこと。300坪で2〜2.5トンくらい。普通だと3〜3.5トンくらいかな。あのね、太ったイモは、おいしくないんですよ」えーっ、そうなんですか。「そうですよ。だから収量を抑える。味をぎゅーっと凝縮させるためにね」なるほど、勉強になりました!

「それから、ウチはマルチを使わない」マルチって、地温を上げるために使うポリチレンのシートですよね。「うん。マルチを使うと100日で収穫できるけど、ウチは使わずに150日かけて、じっくり育てます。効率は悪いかもしれない。でも、昔のまんま、お陽さまと土のチカラだけで育てたほうが、ひとつひとつおいしくなるんですよね」やっぱり、何かにこだわるって、手間がかかるんですね…。「まあ、あんまり手間とは思ってないですけどね。それにね、北陸では冬の間、作物がないでしょう。サツマイモ農家は、そういう意味では強みです。時間をかけて自分が育てているものに向かいあえるから」


五郎島金時の出荷は1年を通してですか?「10月から翌年の6月中旬頃までです。貯蔵する場合は、まず、室温34.5度、湿度95%の貯蔵庫のなかに入れます。そうすることで5層のコルク層ができて、うまみが増すんです。そのあと、室温を12度に下げて、いわば仮死状態にして保存。だから、8カ月以上、おいしいままなんですよ」でも、やっぱり穫りたてのほうがおいしい?「それは間違い。穫りたてもうまいけど、やっぱりイモがいちばんおいしいのは、12〜2月の3カ月。つまり焼きイモの時期ですね」

ここで、河二さんが焼いてくれた五郎島金時をいただきます。すごくホクホクしていますね。それに思ったほど、甘くない。上品な甘みっていうか…。「上品なんてものじゃないけど、これが自然の甘みなんですよ。穏やかな感じでしょう。イモには、ホクホク系の粉質のものと、ねっとり系の粘質のものがあります。五郎島金時は粉質。水分が少なくて、ホクホクしていて、栗に似た食感があるんです。天ぷらや汁ものにしてもうまいですよ」


ところで、河二さんは、五郎島金時の加工品にも力を入れているそうですが…。「きっかけは、阪神・淡路大震災なんです。自分が近畿大学にいってたもので、阪神近辺には知り合いがたくさんいる。で、震災の時、何かできないかと…。五郎島生産組合で、サツマイモ10トンを援助物資として神戸に送ろうとしたんですが、ライフラインが壊滅状態なので、生のサツマイモはもらっても困るって言われちゃったんですよね。ショックでした、そんなことも気づかなかったのか、と。それでも何か手伝いができないかと、現地に入ったら、焼きイモ1本5000円なんていうふざけた値段で売ってる人間がいて、一方で被災者の人たちは、針金でイモを結んで焚火に放り込んで食べている。ウチのイモを焼いて持って来れたらなあって、つくづく思ったんです」

「そのときの思いがずっと胸に残って…。同時に、イモは焼いて食べるものだ、という当たり前のことに気がついたんですね。おいしい焼きイモの加工品を作れば、生活者に届けやすいのではないかって。それで、試行錯誤して、パック詰めの焼きイモを作りました。それから、最近は、五郎島金時のペーストに新鮮な卵と牛乳を加えたプリンも販売しているんですよ」


最後に、焼きイモの加工場を見せてもらいます。こちらを案内してくれたのは、河二さんの奥さま、芳美さんです。「ここでは『ピーポッポ』をフル稼働して、毎日、イモを焼いています」えっ、『ピーポッポ』って?「ああ、遠赤外線で焼く、電気焼きイモ機です。1台で焼けるのが2kg、それが30台。焼き上がるまでに1時間かかりますから、1日8回転、合計約500kgです」
プリンもここで?「いえ、別の工場で作ってもらっています。プリンはもともと、石川県の地場のものを使って、生産者の顔が見えるものを作ろう、ということでスタートしたものなんです。ウチのイモはもちろん、牛乳も卵もこだわりがあるものなので、すごくおいしいですよ!」

プリンをいただいてみると、ほんとうに「サツマイモ!」って感じ。力強い五郎島金時の味がします。そんなに甘くないので、甘いものが得意じゃない人でも、食べやすいかも。モニター試食は、この「焼きいもプリン」でもいいかな、とも思ったのですが、やっぱり、まずは、五郎島金時そのものを食べてもらいたい、ということで、生のおイモ約1kg(3〜5本)に決定。ぜひ、ご応募ください!



金沢の五郎島地区だけでとれるサツマイモ「五郎島金時」は、自然の甘みとホクホクとした食感が特徴。レンジでチンするだけの「焼き芋」や、こだわりの卵と牛乳を加えてつくった「焼き芋プリン」もおすすめです。

● かわにの焼き芋

● かわにの焼き芋プリン
上記の商品は、「有限会社かわに」のホームページでご購入いただけます。
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