back

試食アンケート結果



大正町、十和村、西土佐村という四万十川中流域の3つの町村が出資して作った「四万十ドラマ」。さて、今回は、この「四万十ドラマ」に出荷している生産者のみなさんのレポート第2弾です。4組の方々をご紹介しますね。

まずは、西土佐村で民宿を営む上戸紅さん。くれはさん、と読みます。「私はね、自分たちの世代が、日本の伝統とか文化とかを捨ててしまったのではないか、という思いがあります。新しいものに目を奪われてしまった。だから、それらを取り戻して、若い人たちにちゃんと渡したい。本当にいいもの、大切なものを残したいと思うんです」そのひとつが手づくりのお味噌なんですね。「ええ。味噌は日本の食文化の代表ですから。私たちの味噌は、粟も麦も大豆も自分たち自身で作り、自分たちで作れないものは隣町の人々にお願いして、生産者の顔の見える原料を使って作っています。大寒の時期に仕込んで、春に醗酵、1年かけてゆっくりと熟成させます。温度計を使わず、手の感触だけで仕上げるんですよ」

上戸さんのお味噌は、まあるい味。口に入れると、甘い香りがふんわり広がります。「美しく、やさしく、みんなに愛されるように、ということで『小町みそ』と名づけました。やっぱり、いい素材を使って手をかけて育てれば、いい味になるんです。たやすいもの、ラクなものは、本来とは違うものになってしまうのかも知れません」うーん。イージーなほうに流れやすい私は、ちょっと考えさせられてしまいました。


林大介さんは、「鮎市場」の責任者。四万十川の鮎やうなぎ、ツガニ(モクズガニ)、川えびなどを扱っています。「鮎市場というのは、四万十川西部漁業協同組合の集出荷場なんです。市場という名前ですが、セリもありませんし、漁師からも固定価格で仕入れています。このセリがないということは、とても大事なことなんですよ。野菜もそうですが、市場が価格を決めると、価格が優先されることになります。品質の良さは二の次になる。だから、生産者が減っていくんです。実際、川漁師も少なくなりました」

「私が鮎市場で勤め始めたとき、絶対これだけは守ろうと思ったことが2つあるんです。ひとつは、十和村ないし、西土佐村でとったもの以外は仕入れないこと。もうひとつは、取引先に、商品がない時はないということ。どんなに注文があっても大雨の後はとれません。自然のルールに従うことが、生産者ともお客さまとも長い付き合いを続けられる秘訣だと思います」ところで、今年の四万十川は豊漁なんですか?「残念ですが、鮎は少ないです。5月に季節外れの台風があって、それから稚魚の姿が見えなくなってしまいました。天然のものだから仕方がないと思いつつも、楽しみに待っていてくれるお客さまにお届けできないとなると、やはり心苦しいです」

今回、私は、上戸さんの民宿に泊まって、四万十川の恵みをたっぷりといただきました。鮎も、うなぎも、ツガニも。鮎市場の林さんは「四万十の鮎は鮎本来の味が強くて、好き嫌いがわかれる」とおっしゃっていましたが、私は、その独特の香りと、力強い味が、とってもおいしいと思いました。ツガニは、海のカニに比べて小ぶりですが、甘みがあって、上海ガニのような味わいでしたよ。








四万十名産の栗を使って、「栗ようかん」や「栗きんとん」をつくっているのは、「清流栗庵」のメンバーの方々。残念ながら、この「清流栗庵」のみなさんと、「かおり米(十和錦)」を作っている上山岩雄さんには、お会いすることができなかったのですが、「四万十ドラマ」の畦地さんが、いろいろお話を聞かせてくれました。

「十和村では昔から無農薬で栗を育てています。でも、お菓子用の原材料として出荷されたのでは、四万十の栗がどんなものになっているのかわからない。それで、地元で栗の加工品を作ろうということになったんです。「清流栗庵」のメンバーは、普段、農業を営んでいますが、栗の時期になると、みんなで集まって、自分の山でとれた栗を使ってようかんをつくります。添加物なしの手づくりの栗ようかんなんですよ」

一切れいただいてみると、やさしい甘さって感じ。しつこくないので、甘いものが苦手でも食べやすいかも。「最近は、栗きんとんの製造も始めました。こちらも栗と砂糖だけ、添加物は一切なし。ただ、無添加なので、賞味期間が4日間しかないんです。だから、注文をいただいた場合、届いた翌日までには食べていただかなくてはなりません。でも、ほっこりとして、本当においしいですから、ぜひ召し上がってもらいたいですね」


最後に、四万十オリジナルの「かおり米」のお話を伺います。「十和村では、四十数年前に『黄金錦』という米が栽培されていました。ある年、その中に他とは違って妙に背が高い稲穂があった。それに気がついたのが、上山岩雄さんです。上山さんは、その米に印をつけて、2、3年育ててみたんですね。やっと炊けるほどの量がとれて、食べてみたら、香りが良くてすごくおいしい。それが、かおり米『十和錦』のはじまりです」

『十和錦』は、無農薬栽培なんですか?「基本的にはそうしたいと思っています。でも、気候によっては、使わなければならない年もあります。そういう場合は、『今年は農薬を1回使用しました』というように、ちゃんと表示しています」かおり米って、普段食べているお米に混ぜて炊くんですよね?「ええ。お米2合に、かおり米1袋(80g)くらいが、ちょうどいいかなあ。まあ、お好みですけどね。僕なんかは、全部『十和錦』でも全然OKですが、慣れていない方だと、香りが強いと感じるかも知れません」食べてみると、かおり米が初めての私でも大丈夫。ちょっと、長粒種のタイ米みたいな香りかな。なんとなく懐かしい匂いでしたよ。




「小町みそ」は、生産者の顔が見える材料を使った1年熟成のこだわり味噌。「ようかん」は、十和村のおばちゃんたちが素材を吟味し、無添加でつくったもの。冷めてもおいしい「香り米」は、他のお米に混ぜて香りを楽しみます。

● 上戸紅さんの小町みそ

● 十和村の栗ようかん/
  大豆ようかん/お茶ようかん
● 十和村の香り米
上記の商品は、「株式会社四万十ドラマ」のホームページでご購入いただけます。
ホームページへGO



「たべつくモニターシステム」について   生産者募集   試食モニター募集

お問い合せメール