ところで、佛田さんのところでは、お漬け物や加工品もつくっているんですよね。「もともと金沢青かぶをつくっていたこともあって、かぶら寿しの加工販売を手がけるようになったんです」かぶら寿しって？「海を代表するブリと、畑を代表する青かぶを、麹で漬けたもの。加賀百万国の昔から愛され続けてきた、金沢の伝統の味です。『かぶら寿しを食べないと正月がきた気がしない』といわれるほどなんですよ。ほかに、梅干しとか、辛子なすとか、白菜キムチとか、いろいろな漬け物をつくっています。やっぱり、ご飯には漬け物が欠かせませんからね」 梅干しも、こだわりがあるんですか？「天日で3回干して、シソだけで色づけした昔ながらの梅干しです。使っているのは、地元の梅と、シソ、それに塩だけ。保存料や添加物は一切なし。最近の梅干しは茶色っぽいのが多いじゃないですか、でもシソだけで漬けると本当にキレイな赤になるんですよ。うちのお米と、ぜひ一緒に食べてもらいたいです」じゃあ、今回の試食パックは、コシヒカリとほほほの穂、それに梅干しをつけていただくってことでどうでしょう。「いいですよ。朝ごはんセットって感じですね。精米したての新米を、みなさんに味わっていただきましょう」

最後に、生産者のひとりとして、あるいは「たべるつくる」の関係者として、みなさんにひとことお願いします。「僕は、農業は、豊かな暮らしの基本だと思っています。いくら情報化やネットワーク化が進んでも、食べものをつくる農業がなくなることはありません。でも、食べることと作ることが離れてしまうのは問題ですよね。だから、みなさんにも『農』のことをもっと知って欲しい。お互いがつながれば、『食』をとりまく環境も変わってくると思います。あ、それから、農業を志す若者が減って、日本の農業はもうダメだなんて言われますが、とんでもない。うちの会社には、農家出身じゃない人たちがたくさんインターンシップに来て、農業を始めたいといって働いています。なので、これからの農業に期待してくれて大丈夫ですよ！」