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試食アンケート結果

中島富治一さんが代表取締役を務める『有限会社アグリケーション』は、滋賀県草津市にあります。目の前に琵琶湖が広がっていて水は潤沢にあるし、草津川の氾濫によってできた沖積層は野菜栽培に適しているし、というわけで、昔から京漬物に使う野菜の供給地として知られているところです。中島さんは、ここで、伝統的な九条ねぎや水菜などの生産を行なっています。

「京野菜っていうけど、本当は滋賀県でつくっているものが多いって知ってますか?」え、そうなんですか?「京野菜という名称は一種のブランド。九条ねぎも水菜も、昔から近江、つまり滋賀県でつくってるのが多いんです。牛肉もそう。今は、近江牛も知られてるけど、昔は神戸港から東京に出荷されるから、みんな神戸牛だったし。滋賀は“黒子”だったんです」だから、中島さんのところの野菜は『近江の国野菜』として販売しているんですね。「ええ。食べてくれる人に、近江の野菜の良さをわかってもらえたらええなあ、と思って」


「ウチは、特に土にこだわりがあります。完熟牛ふん堆肥と醗酵済みの鶏ふんをベースに、有機100%肥料、それに天然ミネラルなんかを加えて土づくりしてる。ねぎや水菜のクズも入れて、ゴミを出さない循環型の農業をやっているんです。今は、どこどこ産有機栽培野菜とかいって、名前だけ独り歩きしてるのが多いでしょう。私は、有機栽培がしたいわけじゃない。家族に安心して食べさせられるモノを生活者に届けたいだけ。だから、『養土育』という自分のブランドをつくりました」

「最近は、トレーサビリティの公開にも力を入れています。制作中のホームページでも、これからは誰もが、ウチの作物がどんなふうに栽培・収穫されて、どうやって店頭に並ぶのかという生産履歴を見ることができるようになる予定。いまは安全性に対する皆さんの意識が高まっている。トレーサビリティの公開は、安心して食べてもらうために必要なことだと思っています」


農薬についてはどうですか?「滋賀県は琵琶湖をかかえ、環境県を目指しているということもあって、もともと農薬の基準が厳しい。他の県では使っていい農薬が、滋賀では使えんこともあるんです。ウチは、その滋賀の基準の半分しか使ってない。出荷前には残留農薬の検査にも出して、安全な状態で出してるし。ただ、わかってもらいたいことがひとつあります。それは、農薬は決して“悪”じゃないってこと。基準を守って、きちんと使っていれば安心なんです。風邪ひいたときには薬を飲むでしょう、それと同じ。農薬はイヤだ、でも虫がついてるのもイヤだ、しかも安くなきゃイヤだ…。それはどうなんかなあ?農家も努力すべきとこは、しっかり努力する。だから、皆さんも、農薬は使い方次第で薬にも毒にもなるんだってことをわかったうえで、農業について少しばかり考えてみてくれるといいと思う」


お話を聞いている最中、1本の電話がありました。相手は埼玉のお好み焼き屋さん。はじめて電話をくれた方だそうです。「お店のねぎ焼きに『養土育』の九条ねぎを使ったら、お客さんの評判がすごく良かった、ぜひとも定番メニューに使いたい、という電話でした。そういうふうに言っていただくのは本当に嬉しいです。この前も、東京のラーメン屋さんがウチのねぎに感動したといって、わざわざ訪ねて来てくれた。食べた人の声を実際に聞くのは励みになるし、やりがいもある。ありがたいことです」

ところで、普通の人は、どこで中島さんの野菜を買うことができるんですか?「滋賀の方なら、地元の平和堂さんで買える。それから、静岡の方なら、スーパー富士屋さんやクイーンズシェフ伊勢丹さん。『近江の国野菜 養土育』って書いてあるから、すぐわかると思います。以前は、東京の築地市場にも出荷していましたが、いまは8割くらいが契約販売なんです」



今回、どうして、モニター試食を行なうことにしてくださったんでしょう?「正直、ウチのメリットはあんまりありません。ただ、食べる人たちに、本当のモノづくりということを、少しでもわかってもらえたらいいと思って。生活者も生産者も、気持ちは変わらないと思う。ちょっとボタンの掛け違えがあるだけ。それに、がんばってる『たべるつくる』のことも応援したいしな」

最後に、野菜をつくっていくうえでの苦労があったら、教えてください。「実は、大変と思ったことはないんです。そりゃ、努力しなければならないことは山ほどある。でも、つらいとか、イヤだとかとは思わない。本当につらかったら、続かないでしょう。たとえば、プロ野球の選手。練習がどんなにきつくたって、好きだからやってる。見る人に感動を与えたくて続けてる。私も、プロの農家。皆さんの感動する顔を見たいから、自分でも楽しんでモノづくりをしているんです」



有機による土づくりを行ない、「安全」と「おいしさ」にこだわった「養土育」のねぎと水菜。食味の良さ、香りが良さが自慢です。どんなふうに栽培・収穫されているのかという生産履歴の公開にも力を入れています。

● 「養土育」の青ねぎ

● 「養土育」の水菜
上記の商品の詳細は、「有限会社アグリケーション」のホームページでご覧いただけます。
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