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試食アンケート結果

中道農園さんは、先祖代々、大阪門真市で農業を営んで来ました。急激な都市化に伴い、昭和45年、比叡山と比良山を彼方に見渡す琵琶湖のほとり中主町に移住。以後、この地で、独自の発想と手法により自然と共存しながら農業を営んでいます。5月上旬、絶好の田植え日和に中道農園さんを訪ね、社長の中道唯幸さんにお話を伺いました。

「ラジオのCMで、『1番目でなく2番目においしいものを教えて下さい』っていうのがあるんだけど、僕それがとっても好きなのね。農家の人に一番美味しいお米は?って聞くと、皆、自分の米が一番おいしいって言う。つまり、客観的においしいのは2番目に出てくるものなんだよね」なるほど、そうかも知れません。と、横に眼をやると滋賀県の『エコじまん』の立て札が・・・。これ、滋賀県の減農薬栽培の認定の札ですか?「そう、使用農薬回数の半分以下というのは他県と同じかもしれないけど、この『濁水を出しません』っていうのは、滋賀県独自の基準なんだ。琵琶湖を汚さないように、濁水を流し込ませないように水を少なめに代掻きをしたり、田植え時にも水を捨てないでやる、とかいろいろあるんだよ」



中道さんは無農薬栽培をされていますが、どういう理由で初められたんですか?「平成2年から、特別栽培米制度を利用して、除草剤を1回に減らして作っていたら、そのうち健康食品店の人や病気を抱えている人が買いに来るようになって、口コミで人が増え始めたの。無農薬で作り始めたのは今から7年前。初めは無農薬だと高く売れるかな、という思惑も無きにしもあらずだったんだけど、よくよく考えてみたら自分のためだったんだよね」

自分のため?「学生の頃、農薬を撒くと必ず父親が具合が悪くなって寝込んでたのね。で、父親の代わりに僕が農薬を撒く。まだ若かったから寝込みこそしないけれど、頭が痛くなった。それで、こんなんじゃ自分の身体を壊してしまうと思って、最初は田んぼ一枚だけ無農薬でやってみた。お客さんに対して『自分たちの身体を守るために無農薬にしたけど、経済性が悪いから高いけどごめんね』って言うと、お客さんは『その言葉が聞きたかった』って。大義名分よりも正直なところを聞きたかったんだね。」



ところで、中道さんはどんな種類のお米を作っているのですか?「まず『アイガモ君』。これはコシヒカリで、JASの有機認証を取っています。それから、滋賀の認証『エコじまん』を取得した『キヌヒカリ』や、減農薬化学肥料栽培の『日本晴』。あと『ヒノヒカリ』は、減農薬減化学肥料栽培。この品種は丈夫なので、減農薬にしやすいんですよ。『ミルキークイーン』は有機認証はとっていませんが、無農薬無化学肥料栽培です」

無農薬で栽培されているのに認証を取らないのは、どうしてですか?「毎日つける書類が大変だから。作業日報は僕がつけて、その他の書類関係は妻がつけるんだけど、無農薬のものを作る作業より書類をつける方が大変なんだ。見る人が見れば、無農薬かどうかなんてすぐわかるのにね」書類が大変、という声はよく耳にしますが…。「認証シールの使用枚数と出荷量が合っているかなど、すべてチェックするんですよ。抜き打ち検査もやり始めているらしいけど、最終的には抜き打ちで残留農薬のチェックをするしかないでしょうね」」



堆肥は、どんなものを?「牛糞ベースの堆肥です。農協に納める分もすべてね。でも牛糞ばかり3年も4年も使っていると、だんだん土が欲しがらなくなる。効きもよくないし、食味も落ちる気がする。だから同じ物を3年以上続けません。堆肥だけで補えない時には、客土もするし、常に土の微生物に刺激を与えて、田んぼが喜ぶことをしてあげる。田んぼが喜ぶと、稲も喜ぶからね。」

味はどうですか?無農薬だと若干、食味が落ちるという話を聞いたことがありますが…。「無農薬でも良い米なら食味は増すよ。無農薬で味が良くないのは、病気などにやられた米でしょう。ウチの『アイガモ君』は無農薬だけど、他のコシヒカリと変わらずおいしいと思うよ。魚沼産といったって、すべておいしいわけじゃないしね。『アイガモ君』の田んぼで、出穂前後に塩とお酢を500倍に薄めて土に混ぜたら、食味が良くなった。今年は、無農薬と減農薬の田んぼには、みんな使ってみようと思ってるんだ。塩とお酢を土に混ぜることによって、土中の微生物が活発になって、カリの成分が抑えられるみたい。そのほか、土を活性化させるために焼酎や味醂、昆布のエキスなんかも混ぜてみたりね。有機質肥料を多用するとガスの発生が多くなりがちなんだけど、光合成細菌や昆布エキスを田んぼに撒くと、ガスの発生を抑えられるんだ」



でも、せっかくおいしいお米を作っても、『米どころ』というと、やっぱり新潟とか東北地方のイメージがありますよね。「そう、この辺では、普通に頑張ってるんじゃそのうち淘汰される。だから僕、お米の乾燥機もアメリカに行って、直接買って来たんです。国内の乾燥機は高温で乾燥させるんだけど、高温だと食味が落ちる。アメリカで低温の乾燥機を買って、全部バラして送って、自分のところで組み立てたんですよ。日本に無ければ、外国に行って買う。それでも無ければ自分で作ればいい、ということで、肥料を撒く機械も自分でメーカーに作らせました。無農薬栽培だからといって、昔のようなやり方に戻して、人が1本1本草を手で抜くとか、そんなの無理でしょう。自然の法則に沿ったやり方をいかにシステム化するか、それがこれからの農業だと思う。だから、除草機も自分で開発して作ったものを使ってるんだ」

最後に中道さんのポリシーを聞かせてください。「今までの短絡的な農業では、後に汚点を残すと思う。ずっと食糧を作るためには、今何をすべきか、をしっかり考えなければ。半永久的に農業がつづけられるよう、田んぼにいる微生物と仲良くし、自然と共存していきたいと思っています」




米ぬかやクズ大豆などで育てた、化学肥料無使用、完全無農薬の「ミルキークイン」は、もちもちとした食感が特徴。冷めても柔らかくおいしいので、おにぎりやお弁当に最適です。「日本晴」は、粒がしっかりとした少しかためのお米。炒飯やお茶漬けなどにおすすめです。種まき時と田植え期に農薬を使用しています。

● 中道農園の「ミルキークイン」

● 中道農園の「日本晴」
上記の商品は、「中道農園」のホームページでご購入いただけます。
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