次に見学したのは、りんご農場の『八峰園』です。もう、小さくてカワイイ実がついています。「通常のりんご栽培では、袋をかけたり、実のまわりの葉を摘み取って日にあたる面を増やしたりと、見ためをよくすることに手間をかけますが、ここでは『無袋』『葉とらず』が基本。そのほうが、糖度が高くコクのある味に仕上がるんです。逆に手をかけているのが、土づくり。養豚場から出る豚フンで作った堆肥を使って育てています」
「トキワ養鶏は昭和35年の設立ですが、もともとは、村おこしのために屋根の下で冬場にも働ける養鶏をやろう、ということでスタートしたんです。当時、常盤村は水田単作地帯で、冬は出稼ぎに頼っていました。この村で出稼ぎをしないで暮らすために、そして米づくりの堆肥確保のために選んだのが養鶏です。その頃、福島県白河以北での大型養鶏は不可能だといわれていました。しかも、農協に頼らない飼い方ということで、専門家からは無謀だと非難されたりもしたそうです。でも組合員のがんばりで、養鶏・養豚を軌道にのせ、その堆肥でりんご農場を広げ、さらに、りんごの剪定枝でスモークしたハムやソーセージなどの加工品部門も設けることができたんですよ」
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