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試食アンケート結果

東京駅から車で約1時間半。今回レポートする『和郷園』は、千葉県東北部の山田町にあります。和郷園は、若い農業後継者が中心メンバーとなって組織された農事組合法人で、代表理事を務めるのは37歳の木内博一さん。各生産者の農場とは別に、本部センター、リサイクルセンター、冷凍野菜加工場、直売所などの施設があります。

「和郷園を立ち上げたとき、私は23歳でした」と何ごともないように言う木内さん。でも、それってかなりスゴイですよね。「農業改良普及所の後継者のセミナーがあって、私は3年間通ったのですが、その仲間で何かやろうという話になって。その頃は、野菜が大暴落していて出荷しても経費さえでない状態だったんですね。じゃあ、自分たちで作ったものは自分で売ろう、と。仲間5人でトラックに野菜を積んで、スーパーに直接持ちこむことから始めました。その後、徐々に仲間を増やし、平成8年に法人化。今は、地域の人材も雇用しつつ、生産、販売はもちろん、加工や直売所の展開も手がけています」



まず見せていただいたのは、リサイクルセンター。ここでは、畜産廃棄物や野菜のクズから、土づくりに欠かせない堆肥をつくっています。「私は、生産者として、自分の家族に食べさせられるものをつくる、というのを基準にしています。つまり、おいしくて安心なもの、ということですね。和郷園で取り組んでいるのは『地域循環型農法』。農家から出る牛のフンや野菜のクズを堆肥として有効利用することによって、自然環境への負荷もできるだけ少なくするようにしています」

あ、こちらのスペースには、大きな水槽がいくつも並んでいます。これはもしやBMWのシステムでは?「はい、BMW技術によって水を活性化させています。Bはバクテリア、Mはミネラル、Wはウォーター。自然界では、動物の死骸や枯れ葉をバクテリアがエサとして分解し、水と土をつくりますよね。この自然浄化作用をモデルにしたのがBMW技術。活性化した水は、農場にまかれ、土づくりの役に立っています」



続いて、冷凍野菜加工場を見学。『さあや'Sキッチン』という名称です。「さあやっていうのは、ウチの娘の名前。娘が安心して食べられる冷凍食品をつくろう、という思いから名付けました」中に入ってみると、最新の機器がズラリ。加工場内に入らなくても見学ができるよう、専用の通路も設けられています。野菜の洗浄から、ブランチング(ゆがく)、チラー(水で冷やす)、カット、脱水、凍結、そして包装へ。最初の洗浄と、カットした後に人間がチェックする以外は、ほとんどがオートメーションです。衛生面にとことんこだわっているんだなあ、と感じました。



どうして冷凍野菜を手がけることになったのですか?「旬じゃない時期に安心、安全な野菜を食べようと思うと、無理が生じます。ビニールハウスに暖房機、病気を防ぐために農薬も必要になる。食の安全を考えると冷凍しかない、と。旬の野菜は、おいしいし、栄養もあるし、無農薬でも育てやすい。それを大量に収穫して冷凍保存すれば、一年中おいしくて安心な野菜が食べられますよね」ここで、冷凍野菜の試食をさせていただきます。ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、大和いも、枝豆、スナップえんどう、とうもろこしの7品目。実は私、冷凍の葉物はどうかな、と思っていました。でも、おいしい!ほうれん草も小松菜もシャキシャキしているし、自分でゆでるより色もキレイかも。ブロッコリーやスナップえんどうは、マヨネーズをかければ忙しい朝にピッタリって感じです。(この冷凍野菜が今回のモニター試食です。お楽しみに!)




いよいよ次は農場へ伺います。サンチュの生産をしている、さかき小見川農場です。「サンチュはおととしから始めました。通常は水耕ですが、ここでは土耕。土耕だと、葉肉が厚くなり、色もよく出るんですよね。やっぱり土のチカラなのかな。過度の施肥をしないことで、いやなエグミもないと思います」葉っぱを1枚かきとって食べてみると、サンチュ特有の少しだけ苦味のある味が口の中に広がります。こちらでは、青菜のかわりにしゃぶしゃぶに使うことも多いとか。おいしそうですね。

ところで、農薬についてはどうなんでしょう?「農薬の使用基準を設定し、すべての農場、すべての生産者が栽培記録に記帳します。どうしても農薬に頼らざるを得ない場合は、その品目の責任者に報告し、基準内か否かを確認してから散布します。この一連の流れは、すべてパソコンで管理しているんですよ」そういえば、木内さんのところは、世界基準の安全性をクリアしているんですよね?「ユーレップギャップのことですね。これは、欧州小売組合が定めた適性農業規範で、食品の安全性を確保するための仕組みなんです。栽培、生産、品質について、第三者認証機関がチェックするのですが、ウチにもスイスから審査官が来ましたよ。日本でこれを取得しているのは、和郷園ともう1法人だけです」

最後に、直売所の『風土村』へ。農産物の直売所のほかにレストランも併設、和郷園の野菜はもちろん、地域の農産物が販売されています。ちなみに『風土』は『food』の意味もかけているとか。木内さんが考えたそうですよ。「風土村を立ち上げた根底には、地域をもっと元気にしようという思いがありました。町には、勤め人だけど漬け物、煮物をつくらせたらうまいという人がいます。それを商品として提供する。あるいは、おじいちゃん、おばあちゃんがつくったものを並べる。レストランでは、素材のおいしさだけでなく、食べ方、料理の仕方も提案していけたらいいなあと思ったんです」

「農業に必要な条件は、土、雨量、気候の3つ。日本は土壌がいいでしょ、雨も適量だし、四季もはっきりしている。つまり、農業に向いている国なんです。それに、日本人の特性として、勤勉で器用ということもある。私は、農業こそ日本の柱となる産業だと思っています」そう力強く話す木内さん。和郷園がこれだけ発展したのがわかる気がします。「農業は、産業です。しかも、命につながる“生命産業”。だからこそ、農産物を出荷、販売することに、自覚と責任感を持たなければならないのです。プラス、産業として確立するために、生活者に喜ばれるサービスを提供する必要があります。」和郷園は、今後インターネットでの直売も手がけるそうです。まずは、新しいホームページが3月にオープン予定。楽しみですね!


「和郷園」の野菜は、土と水にこだわり、農薬をできるだけ使わずに育てられています。そのみずみずしい野菜を、最新の冷凍加工場でフリージングしたのが「さあや’s キッチン」の冷凍野菜です。旬の時期に収穫したものだから、おいしさも栄養もそのまま。しかも、生産者がはっきりしているので、安心して食べられます。

● 「さあや’sキッチン」の冷凍野菜たち

上記の商品に関するお問い合わせは、「和郷園」ホームページからどうぞ。
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