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試食アンケート結果

木之内均さんが代表取締役を務める『木之内農園』があるのは、阿蘇の山々に囲まれた、熊本県長陽村。が、木之内さんが生まれたのは、神奈川県川崎市だといいます。どうしてふるさとを遠く離れた熊本で、農業をやることになったのでしょうか?「私は、スモッグのために生後3カ月で喘息をわずらいました。で、両親が心配し、当時はまだ自然が多く、空気もきれいだった町田市に転居。野山を駆け回るうちに動植物に興味を抱き、農場主になりたい、という夢を持つようになりました」熊本を選んだのは?「私の進んだ東海大学農学部が熊本にあったんですね。農業をやるつもりなら、どこに行こうと、土地なしコネなしのスタートになるわけですから、じゃ、ここでやってみよう、と思ったんです」



現在は、いちごやミニトマトなどの生産はもちろん、観光農園の運営や加工品の販売、研修生の受け入れなども行なっている木之内さん。まずは観光農園の『阿蘇いちご畑』を見せていただきながら、作物をつくるうえでの“こだわり”について伺いました。「作物の生長のもとは、根っこです。私は、根を健全に育てるための土づくりこそ農業の基本だと思っています。農園では、阿蘇の原野にあふれる山野草と赤土の堆肥をバランスよく配合。さらに、堆肥の発酵をよりスムーズにするため、微生物を利用しています」肥料や農薬は?「肥料は、油かす、魚粉など、自家製のボカシ肥料です。農薬は、まったく使わないというわけにはいかないのですが、土づくりや品種選定など細かいチェックによる予防対策を行なって、減農薬に努めています」

ハウスの中を歩いていると、あれ、なんだか畝と畝の間が広いような気が・・・「これは、車イスでも入れるように、ということで広くしたんです。老人ホームの方々や保育園の子どもたちも来てくれますしね。まだまだ充分ではありませんが、ゆくゆくは誰でもみんなが楽しめる農園にしていきたいと考えています」



赤く色づいたいちごを摘んで口に入れると、甘酸っぱさがぱあっと広がります。まさに春の味って感じ。「これは『豊の香』です。特徴は、甘みと酸味のバランスがとれていること。日持ちもいいので、摘んで帰って家で食べてもおいしい。私は、最初、メロンから始めたのですが、この阿蘇の土壌には、いちごのほうが向いているのでは、と思い、農業を始めて3年目にいちごの栽培を開始しました。つくっている品種は『豊の香』のほかに『章姫』『火まつり』など。『火まつり』は、東海大学農学部と共同開発した新しい品種なんですよ」

『阿蘇いちご畑』では、いちご狩りのほか、ショッピングも楽しめるようになっていて、オリジナルのジャムやワインがズラリと並んでいます。「自社の加工場があって、そこでジャムやお餅などをつくって、観光農園で販売しています。天候や市場など、外的な要因に影響される農産物とは違って、加工品は、計画生産、計画販売が可能です。しかも、加工品なら、旬のおいしい時期のものを1年中お届けすることができますから」観光農園以外では、どこで手に入りますか?「個別に宅配便でお送りすることもできるので、問い合わせていただければと思います」



ところで、さまざまなイベントも催されているそうですが・・・「ええ。2月の中旬に『いちごフェスタ』と銘打って、ナイターいちご狩りとコンサートを行ないます。夕方からいちご狩りをして、その後で、もぎたていちごを使った手作り体験。いちごのクレープをつくります。それから、オリジナルのいちごワインを飲みながら、農園バンドによるコンサートを楽しんでいただきます」わあ、いいですね。「お客さまも喜んでくださいますよ。福岡や北九州から来てくれる方もいらっしゃるし。こんなふうに、食べる人との距離を縮めていくのも、大事なことだと思うんですよね」

ほかにも、生活者が参加できるイベントはありますか?「田植え、稲刈りなどの農業体験や、卵拾い調理体験などがあります」卵拾いですか?「この『阿蘇いちご畑』の近くで、約1000羽の鶏がいる『たまご拾い牧場』を運営しているんです。農業体験とは違って、いつでもできますから、さっそく行ってみましょう」




というわけで『たまご拾い牧場』へ。屋外で放し飼いにされている鶏たちは、元気いっぱい。しかも、身体も大きいです。「自由に動き回っているから、たくましいでしょう?オスをあまり多く入れると、メスがストレスを感じるので、オスの割合は20羽に1羽くらい。エサは、放し飼い専用の飼料に、海草の粉末やクズ米、ヌカなどを配合したものを与えています」さて、卵はどこにあるのでしょう?「いろいろな所に産みますから、自由に探してみてください」えーっ、卵拾いなんて、はじめての体験。草むらを探してみると、あった! おっ、こっちにも!大人でもつい夢中になってしまうのだから、子どもたちはもっと楽しいだろうなあ・・・

「ここでは、自分で見つけた卵をその場で食べられるように、簡単な調理器具を用意しています。目玉焼きでも、オムレツでも、お好きな調理法でどうぞ。卵かけごはんで食べたい人には、ごはんセットもあるんですよ」わあい、私はそれがいいな。拾ったばかりの卵を、直接アツアツのごはんの上に。ぷっくりとした黄身は、はしでかき混ぜようとしてもなかなかくずれません。お醤油をかけて、思いきり頬張る。おいしい〜。ニッポンの朝ご飯だ!「農業体験って何になるのっていう人もいるかも知れないけど、自分でとった産みたての卵はおいしいでしょう?やっぱり、触れてみなければわからないことってあるんですよ。だから、私はこれからも、生産だけでなく、食と農をつなぐ活動をしていきたいと思っています。そうして、農の現場からいろいろなことを発信していきたいですね」


土にこだわり手をかけて、いちごやミニトマトなどを生産するほか、観光農園の運営や加工品の販売にも力を入れています。「木之内農園」オリジナルのワインやジャムは、まろやかな味わいで、おみやげとしても人気。卵は「たまご拾い農場」で放し飼いにされている鶏たちが産んだもので、黄身はもちろん、白身もぷっくりしています。

● 木之内農園オリジナルジャム

● 阿蘇いちごのワイン
「夢見る苺」
● 甘くてみずみずしい
阿蘇とよのかいちご
● 「たまご拾い農場」
の産みたて卵
上記の商品に関するお問い合わせは、「木之内農園」のホームページからどうぞ。
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